家から軍刀が出てきて困っています。処分しようと思っているのですが、具体的な手順や注意点について詳しく教えてほしいです。
この記事はこんな疑問を抱えている方が対象。
筆者はこれまでに沢山の武具を処分してきました。
その経験からいうと、家から軍刀が出てきた場合の対処法は以下のとおりです。
- ①:まずは登録証の有無を確認する
- ②:登録証がある場合は「所持」と「処分」から希望する方法を選ぶ
- ③:登録証がない場合は警察署で「発見届け」を交付してもらう
軍刀を処分するには「登録証」が必要です。
さらに持ち出す場合も必要です。
この記事では、家から軍刀が出てきた場合の対処法についてまとめました。
処分する手順を知りたい方、どういった処分方法があるのか知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
家から軍刀が出てきた場合の対処法
遺品整理や引っ越し作業をしていると、家から軍刀が出てきたと焦る方は少なくありません。
軍刀は銃刀法が適用されるので、不用意に持ち出すことは非常に危険です。
まずは焦らずに、以下の手順を踏んでください。
- ①:まずは登録証の有無を確認する
- ②:登録証がある場合は「所持」と「処分」から希望する方法を選ぶ
- ③:登録証がない場合は警察署で「発見届け」を交付してもらう
正しく対処すれば、安全かつ納得のゴールを迎えることができます。
それでは上記3つの手順について見ていきましょう。
①:まずは登録証の有無を確認する
家から軍刀が出てきたら、まずは「銃砲刀剣類登録証」があるかどうかを確認しましょう。
銃砲刀剣類登録証(以下、登録証)とは日本国政府が認めた銃砲刀剣類の戸籍のようなもので、美術品として価値があると認められたものに対して交付されるものです。
刀剣を所持するには必ず必要な書類で、この登録証が附帯された刀剣はどなたでも所持することができます。(持つ人の資格が問われる猟銃などの「所持の許可」とは異なり、 刀剣一振りごとに付帯したものです。)また、刀剣を移動する際は必ず一緒に移動しなければなりません。
登録証があれば、美術品としての所持や売却、寄贈することができます。
一方で登録証がない場合は「銃刀法(鐵房刀剣類所持等取締法)」に触れるため、速やかに登録証を取得しなければなりません。
②:登録証がある場合は「所持」と「処分」から希望する方法を選ぶ
家から軍刀が出てきた場合でも、登録証がある場合は以下からお好みの方法を選択できます。
- 美術品として所持する
- 警察に処分を依頼する
- 美術館などに寄贈する
- 刀剣の買取専門業者に売却する
そのまま所持したい場合を除き、処分方法はいくつかあります。
警察での処分は無料ですが、軍刀に価値がある場合はもったいないので避けた方がいいです。安全かつ価値どおりの現金化を希望するなら、刀剣の買取専門業者に査定を依頼するといいでしょう。
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③:登録証がない場合は警察署で「発見届け」を交付してもらう
家から軍刀が出てきたものの、登録証が見当たらない場合は申請手続きを行う必要があります。以下の手順を踏んでください。
- 警察署で「刀剣類発見届出済証」を交付してもらう
- 「銃砲刀剣類登録証」の申請手続きを行う
- 審査に通らなかった場合は警察に処分を依頼する
まずは警察署で軍刀を発見した届け出を行い、交付されたら登録証の申請手続きへと進みます。
場合によっては審査に通らない軍刀もあるので、美品でないかぎりは過度な期待を持たないほうがいいかもしれません。
それでは、上記3つの手順について解説します。
3-1. 警察署で「刀剣類発見届出済証」を交付してもらう
家から軍刀が出てきた場合は、まず管轄の警察署に「登録証がない軍刀が出てきた」と電話で伝えましょう。刀はけっして動かしたり持ち出したりしないでください。
その後は警察署の生活安全課にて「刀剣類発見届出済証」の申請手続きに進みます。すべて警察の指示に従って行動しましょう。
発見届けの手続きは発見者本人が行う必要があることと、以下が必要です。
- 印鑑
- 本人確認がとれる身分証(運転免許証など)
発行に費用はかかりません。
まずは発見届けを交付してもらえるよう、手続きに集中しましょう。
3-2.「銃砲刀剣類登録証」の申請手続きを行う
発見届けを交付してもらったら、20日以内に「銃砲刀剣類登録証」の申請手続きを行いましょう。
登録証を申請する場所は、お住いの地域の「教育委員会」です。詳細はインターネットで検索すれば、諸々入手できると思います。
申請を行うと登録会が行われ、軍刀が美術品としての価値をもっているか審査されます。審査と登録には、手数料として6,300円が必要です(※審査が通らなかった場合も返金されない)。
審査が通り登録となった場合は、所持または先述した処分方法からお好みのものを選べます。
3-3. 審査に通らなかった場合は警察に処分を依頼する
登録会で審査に通らなかった場合は、残念ながら軍刀を美術品として所持することができません。
登録証のない刀剣の所持は原則として認められていないので、警察に処分を依頼しましょう。
ちなみに審査が通らない刀剣は以下のとおりです。
- 焼刃がない
- 伝統技術(鍛冶)で生成されていない
- 損傷がひどい
- 日本製ではない
家から出てきた軍刀が上記に該当する場合は、手間やコストをかんがえて警察に処分を依頼するのがベストだと思います。
家から軍刀が出てきた場合の注意点
家から軍刀が出てきた場合の注意点は以下のとおりです。
- 軍刀は不用意に持たない・移動させない
- 発見届けの際は警察の指示に従う
- 登録会には可能なかぎり発見者が参加する
- 登録会には「刀剣類発見届出済証」「印鑑」「身分証明証」を持参する
- 登録されなかった軍刀は警察に処分を依頼するほかない
軍刀は登録証があったとしても、不用意に持ち歩くとリスクがたくさんあります。手続きや売却などで持ち運ぶにしても、細心の注意を払うようにしてください。
登録会では軍刀が美術品としての価値があるか、プロの鑑定士によってジャッジされます。審査が通らなかったものはどうしようもないので、警察に処分を依頼しましょう。
まとめ
家から軍刀が出てきた場合は、まず登録証の有無を確認しましょう。ない場合は管轄の警察署で発見届けを交付してもらい、登録申請手続きへと進んでください。
美術品としての価値があるものは登録されますが、そうでないものは警察に処分を依頼するほかありません。
いずれにしても軍刀の所持には登録証が必要なので、然るべき行動を取るようにしてください。価値があるものに関しては、高価買取を期待できます。
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